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院長ブログ

がん・生殖医療の現状

昨日の横浜市産婦人科医会の講演内容についてお話したいと思います。

演者は聖マリアンナ医科大学 教授の鈴木直先生でした。

高速道路の事故で渋滞に巻き込まれ、前進できないためUターンして、インターから一台ずつ降りたそうです。

7時半から講演開始予定でしたが、鈴木先生が到着されたのが8時10分頃、ホットしました。

 

がん・生殖医療

小児や思春期、若い世代ががんになった場合、かつては、将来の妊娠や出産を諦めざるを得ないケースがありました。

抗がん剤など薬の影響で卵巣機能が低下し、閉経後の卵巣と同じ状態になってしまうことがあるからです。

それなら、治療する前に卵巣を保存しておけばいいのに、と誰でも考えますよね。

それが大変難しいことだったんです。

 

現在では、がん患者さんが治療後に妊娠できるようにしておくために(妊孕性温存といいます)、3つの方法があります。

① 受精卵を保存

② 卵子を保存

③ 卵巣組織(卵巣そのもの)を保存

 

そして、思春期前の子どもたちの場合では、卵巣組織を保存する方法になります。

それができるようになったのは最近のことです。

2004年にベルギーで、若年のリンパ腫の患者さんに、凍結しておいた卵巣を移植して、妊娠・出産したという報告が最初のようです。

この頃より、がん患者に対する「妊孕性温存」の診療や研究が注目されるようになりました。

そして、医師だけでなく、看護師や心理士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどのチーム医療でがん患者さんをサポートするという医療展開が、とても素晴らしいと思いました。

 

 カテゴリー:がん(予防、検診、治療) , 妊娠、出産、産後  2018年04月27日

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