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院長ブログ

良性子宮疾患の手術 卵巣取る?取らない?

子宮筋腫などの手術で子宮を取る場合、

卵巣を取るか残すか・・・。

約20年前、

私が病院に務めていた頃は、

アラフィフ50歳前後では両側卵巣を取ってました。

 

卵巣は女性ホルモンのエストロゲンを分泌する大切な臓器ですが、

平均の閉経が50歳なので、

50歳前後なら卵巣取っちゃっても問題ないよね!

と考えられてました。

卵巣なければがんにならないし、

乳がんも予防できる。

そのため、卵巣がん・乳がんを予防する目的で、

子宮の手術をするときに、

正常な卵巣も一緒に切除してました(50歳前後の患者さん)。

 

卵巣切除後にHRT(ホルモン補充療法)をすれば、

更年期症状の予防や治療ができるし、

動脈硬化や骨粗鬆症の予防もできる、

卵巣がんのリスクが減るなら良いよね~~と思っていたのですが、

どうやらそう単純ではないようです。

 

イギリスの調査ですが、

卵巣を温存した方が、

心筋梗塞と全体のがんの頻度が低かったのです。

 

もちろん両側卵巣を取れば、

乳がんの罹患リスクは下がります。

しかし、全ての死亡率は卵巣を残した方がよかったのです。

「死亡率」は両側卵巣摘出群1.01%に対して、

卵巣温存で0.6%でした。

 

しかも驚いたことに、

卵巣を残すと乳がんは減らないのですが、

乳がんの「死亡率」は低くなってます。

どういうこと?ビックリ!

 

 カテゴリー:その他(産婦人科関連)  2018年06月16日

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