他院でPCOまたはPCOS（多嚢胞性卵巣症候群）と言われて、

「私は妊娠できないんですか？」と心配して

受診される方がいらっしゃいます。

大丈夫です、妊娠できますよ！

PCOとは複数の卵胞が一緒に育ってしまい、

結局一つも排卵が起こらない病気です。

（卵胞とは卵子が入った袋です。通常は、一つの卵胞が2㎝くらいまで大きくなり、成熟卵胞になって排卵します。）

PCOでは排卵が起こらないので、

無月経や月経不順になります。

排卵が起きなければ妊娠はできないのですが、

排卵をさせることは難しいことではありません。

日本の生殖医療の技術は進歩してるので、

排卵の治療は超一流です。

（注：年齢が高い方の場合は難しいことがあります。）

このPCOという病気について

ハワイ大学のDr.矢沢は次のように書いてます。

「PCOの診断は、その診断名の刻印を押された若い女性たちにとって、不必要な負担を強いるものではないか、と考える医師は多いのではないか？」

私もそう思います。

実際に「PCOの診断がつけられた女性たちは、うつ、不安、自己の身体イメージに関するネガティブなイメージ、などの頻度が（一般女性に比較して）より高い」という意見もあります。

無月経でも、全く排卵がないという方はわずかです。

仮に完全な無排卵だとしても、

卵子がしっかりあれば治療は可能です。

また、実際にPCOと診断された方でも、

一時的な症状や検査データで診断されたことも多く、

正しい診断ではない場合があります。

いずれにしても、

患者さんの「個々の症状を中心に対処」することが大切だと考えます。