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院長ブログ

チョコレート嚢胞のがん化を阻止しよう!

チョコレート嚢胞とは、子宮内膜症が卵巣に発症して血液が溜まったものです。

1%くらいですが、がん化のリスクがあるので治療が望ましいです。

産婦人科のガイドラインには「年齢、嚢胞の大きさ、挙児希望の有無を考慮して経過観察・薬物療法・手術療法のいずれかを選択するが、破裂・感染・悪性化予防および病理学的診断の観点からは手術療法が優先される。」と書いてありますが、

がん化を過剰に強調して、手術療法を勧めすぎないことも考慮しなければなりません。

以下は、私が普段から考えていることです。

<将来、妊娠を希望してる場合>

手術治療による卵巣予備能の低下を避けるために、手術治療は慎重に検討します。仮に手術した場合は嚢胞だけの摘出術になりますが、再発を防ぐために、必ず妊娠希望の時期までホルモン療法を行います。

<保存手術をした場合は再発予防のため、ホルモン治療を必ずしましょう>

チョコレート嚢胞から発生した卵巣がん18例の報告があります。そのうち4例が、術後再発したチョコレート嚢胞からのがん発生でした。手術をしても、再発予防をしなければがん化のリスクはあります。

<妊娠希望の場合はできるだけ早く妊娠して欲しいと思います>

妊娠するとチョコレート嚢胞は縮小します。ホルモン治療は排卵を抑制して、妊娠するチャンスを奪うので、妊娠希望の方は専門医での治療をお願いします。例えば、手術が必要な場合は、採卵(卵子を採取して凍結する)してから手術することもできます。

<生理痛が辛い方はホルモン治療をしましょう>

生理痛がある女性は将来子宮内膜症になりやすいことがわかってます。特に、10代20代で生理痛がある方は、低用量ピル(月経痛の治療薬)で治療して、子宮内膜症も予防しちゃいましょう。

<手術をした方がいい場合>

悪性を疑わせる所見がなくても、急に大きくなったとか、ホルモン治療が効かない場合は、手術治療を検討した方がよいと思います。閉経前であれば卵巣を全部取ることはあまりしません。繰り返しになりますが、卵巣が残っている場合は再発予防にホルモン療法をしましょう。

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実際には、治療方法は患者さんによって異なるので、相談しながら決めていきます。

 

 カテゴリー:子宮内膜症/子宮腺筋症、子宮筋腫  2018年12月05日

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