院長ブログ
子宮頸がん「排除」か「撲滅」か
1月18日の院内セミナーには5名の方が参加してくれました。
参加者の興味は様々ですが、HPVワクチンについては、情報がなくて困っていらっしゃいました。
安全なはずのHPVワクチンについて、どうしてこんなにも情報がないのでしょうか?そんな話もさせていただきました。
次回は2月13日(木)の予定です。どうぞお気軽にご参加ください。
情報提供といえば、岡山県が接種対象者向けのリーフレットを作成しました(PDF) こちらから>
小6年~高校1年生までは無料で接種できます。
産婦人科学会HPや小児科学会のリーフレットもご覧ください。
さて、神奈川県医師会で「子宮頸がんとHPVワクチン(仮)」のパンフレットを作成することになり、年末から執筆作業を続けてます。
私一人で執筆しているわけでなく、他の産婦人科医との協同執筆です。
原稿締め切りが1月17日だったので、とりあえず原稿(案)を送り、この週末で細かいところを修正・調整しました。
それにしても、言葉って難しいですね。
はじめにの書き出しはこんな感じです。
「子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンと検診で予防できるがんです。世界では子宮頸がんの排除に向けて、ワクチン接種率90%を目指した活動が始まっています。」
がんを「排除」?撲滅じゃないの?と思いますよね。
排除と撲滅は、公衆衛生上の専門用語です。
簡単に言うと、
「ウイルスや細菌などが原因となる疾患の国際用語には、Elimination(排除と訳します)とEradication(撲滅)という言い方があります。子宮頸がんには前者のElimination「排除」という用語を使います。」
この説明文を考えるのに、1時間も費やしてしまいました。
世界ではワクチン接種率90%を目指してます。
日本はどうでしょうか?6年前は70%以上の接種率でしたが、ほぼ0%になってしまいました。このままでは、日本だけ子宮頸がんの患者さんが増え続けることになります。
私たち産婦人科医は、20代30代の子宮頸がんの患者さんをたくさん診ています。だからこそ、ワクチンで予防できるものは予防して欲しいと思うわけです。
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解説<感染性疾患の用語>について
Elimination(除去、削除): 感染性疾患をワクチンなどで特定地域で排除することだが、麻疹の様に海外からの移入などで流行が起こる可能性が残る状態
Eradication(撲滅): 病原菌やウイルスを完全に排除し根絶すること。天然痘が1例。
2者を区別する適切な日本語訳がないので、Eliminationを「排除」と訳す。
クリニック概要
横浜市営地下鉄「センター南駅」の改札口を出て、
エスカレーターを下り、
5番出口右1つ目のビルCM-PORTビル8Fです。
- 診療科目:
- 婦人科
- 住所:
- 横浜市都筑区茅ヶ崎中央50-17
C・M ポート8F - TEL:
- 045-949-2212
- 最寄駅:
- 横浜市営地下鉄線「センター南駅」
5番出口出てすぐ
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 | 日祝 |
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09:30~13:00 | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | |
14:00~18:30 | - | ◎ | ○ | - | ○ | - | - |
休診日:月曜、日曜、祝日 ◎:火曜午後は15時からとなります。
※受付時間はお知らせ欄にてご確認ください。
※毎週火曜日午前は植田院長と谷岡沙紀医師の2診体制となります。
※第1土曜日は植田院長と浅野涼子医師の2診体制となります。