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院長ブログ

月経困難症 その2.プロスタグランジン

横浜市医師会「学校医部会レポート」の続きです。

月経困難症の原因、プロスタグランジン(PG)について説明します。


横浜市医師会 学校医部会レポート第35号 論考

「月経困難症-早期介入の重要性-」その2

プロスタグランジン(PG)

PGは子宮内膜から分泌される物質で、子宮平滑筋を収縮させ、下腹部痛を引き起こす。

したがって、子宮内膜が厚いほど、産生されるPGは増加し、月経困難症の症状は強くなると考えられている(図1) 。

機能性月経困難症の薬物治療には、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)や低用量ピルがある。

NSAIDsはPG合成阻害剤で、PG産生を抑制することで鎮痛作用を発揮する。

すなわち、鎮痛薬といっても痛みをとる薬ではなく、痛みの物質(PG)が作られないようにする薬であることを説明し、痛みを感じたらすぐに、あるいは痛みを感じる前から服用した方が効果的であることを指導する。

痛みを我慢し続けた後で内服しても、すでにPGが多く産生された状態では効かないことがある。

一方、低用量ピルは子宮内膜の増殖を抑制することで、PG産生を低下させて鎮痛効果を発揮する。

低用量ピル服薬中は内因性の女性ホルモン分泌が低下し、子宮内膜は薄くなる(図2) 。

(つづく)

 カテゴリー:低用量ピル、月経  2020年03月12日

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