院長ブログ
「宝島」真藤順丈著 直木賞受賞作
新型コロナ感染の影響で3月中の会議、研究会などは全て中止となりました。
時間ができたので、1年前の直木賞受賞作「宝島」を読了しました。
「このミステリーがすごい!5位」なども受賞していたのですね。
最後まで読んでみると、伏線がたくさん散りばめられていたことがわかりました。
沖縄が舞台。
著者の真藤氏は生まれも育ちも東京ですが、沖縄出身者だと思えるような沖縄言葉だと書評されました。
時は沖縄返還前~返還後ですね。
私は小学校2~3年のころで、先生から沖縄返還の話を聞いたことをよく覚えてます。
オンちゃん、レイ(オンちゃんの弟)、グスク(オンちゃんの親友)、ヤマコ(オンちゃんの恋人)の4人の物語です。
読み始めは男性の目線で話が進み、状況が把握しにくい感じでしたが(後から振り返ると伏線のため分かりにくくなっていた)、途中から一気に感情移入してしまいました。
夫が先に読んだのですが、女性の書き方が素晴らしいと言ってました。
その通りでした。
一番私が感動した場面は、ヤマコが絶望のどん底にいたときに、ウタという孤児がヤマコの手を引っ張っていくところです。
「柔らかい指の感触、その滑らかな手ざわりが、ヤマコの胸の奥を撫ぜていった。ちいさなその手が、現われなかったあの手を思い起こさせて、波打つ感情を抑えきれなくなる。こころもとなく瞼が震え、視界が曇って、鼻孔に刺すような熱い湿り気が込み上げた。」
ウタの手で、ヤマコの魂は目覚めたのです。
ヤマコは沖縄返還の活動の中で、なくてなならない存在となっていきます。
性暴力被害についても、悲しさだけでなく、被害に負けない強さも描かれてます。
それは、最近のフラワーデモや、ジャーナリストの伊藤詩織さんの訴訟などに通ずるとことがあります。
また、沖縄の米軍基地に貯蔵されていた毒ガスによる事件のことが書かれてました。
これはフィクションだろうと思って調べたら、本当にあったんですね。
ビックリしました。しかも、日本政府も知っていたとか。
構想から完成まで7年ということですが、史実としてもミステリーとしても、そして女性の美しさと強さが描かれた作品でした。
著者の真藤氏はテレビで観ると強面ですが(ごめんなさい)、そても繊細な方だと思いました。
これからも素敵な女性を描いた作品を期待してます。
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