院長ブログ
月経困難症 その5.ピルの種類
いろいろピルを飲んだけど、私にはこのピルが一番合ってます!
と言われると、嬉しいですね。
提案したのは私でも、決めたのはあなた。
まだまだ日本のピルの種類は欧米に比べると少ないですが、20年前のピル認可の頃に比べたら、種類は増えました。
さて、横浜市医師会「学校医部会レポート」の続きです。
横浜市医師会 学校医部会レポート第35号 論考
「月経困難症-早期介入の重要性-」その5
<低用量ピルの種類>
低用量ピルはエストロゲンとプロゲスチン(人工黄体ホルモン)の合剤である。
現在日本には、避妊薬のOC(Oral Contraceptives:経口避妊薬)と月経困難症治療薬のLEP製剤(Low-dose Estrogen Progestin:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)がある(図5) 。
OCは自費の避妊薬として、一方LEP製剤は保険適用のある治療薬として使い分けがされるようになってきた。
しかし、2008年のLEP製剤発売までは、OCを月経困難症や子宮内膜症の治療目的に使い、多くの女性を救ってきたという歴史がある。
LEP製剤を理解するにあたり、OC開発の歴史を振り返ってみることは大切である。
<避妊薬から治療薬へ 低用量ピル開発の歴史>
避妊薬としてのピル開発の歴史は1950年代までさかのぼる。
ピンカス博士が、妊娠中は排卵が起こらないこと、胎盤から大量に分泌される黄体ホルモンに注目し、開発を始めた。
そして、1955年東京で開催された第5回国際家族計画会議で、プロゲスチンによる排卵抑制が報告された。
そこに使われていたプロゲスチンの量は、現在の低用量ピルの300倍以上であったという。
その後、エストロゲン配合により不正出血が減り避妊効果もアップすることがわかり、エストロゲンとプロゲスチンの合剤という現在のピルの原型ができあがった。
1960年には米国で、世界で初めてピルが発売された。
当時のピルはエストロゲン含有量の多い高用量ピルで、当然のことながら血栓症などの報告が相次いだ。
その後、健康な女性が長期間、安全に服用できるように改良が施された。
それがエストロゲンの低用量化(EE 50㎍未満)と新しいプロゲスチンの開発であった。
世界では1974年から低用量ピルが使用されてきたが、日本では1999年9月にようやく低用量ピルが避妊薬として、すなわち低用量OCが発売された。
そして、待望の治療薬としてのLEP製剤は2008年にルナベル配合錠○Rが発売となり、その後さらに副作用の少ない超低用量ピル(EE20㎍)の発売が続いている。
現在日本で使われているOCとLEP製剤を表3 にまとめた。使える薬剤が増えたことは大変喜ばしい事である。
(つづく)
クリニック概要
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