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院長ブログ

月経困難症 その6 ピルの効果・副効用

新聞に書いてあったのですが、とても素敵な話なのでご紹介します。

俳優の藤竜也(78歳)さんが、奥様のことをこんな風に話していたようです。

「人として女性としても、いとおしくなってくる」。就寝前には毎日欠かさず握手する。次の日も元気で目覚めて会えますようにと願って。「手なんてしわがよっていて、少し曲がっているんだけど、それが美しいと思うんだよね。触りたいと思う。不思議な現象でね。」

素敵ですね。私の夫は、私の手をじ~~と見て、「やっぱり20代とは違う」と言ったので、当たり前じゃない!と言ってやりましたが、もう少し年をとったら、しわしわの手でも美しいと思ってくれるのでしょうか・・・。

 

さて、横浜市医師会「学校医部会レポート」の続きです。


横浜市医師会 学校医部会レポート第35号 論考

「月経困難症-早期介入の重要性-」その6

用量ピルの効果・副効用(図6) 

 避妊薬として開発されてきた低用量ピルであるが、その薬剤の特徴から、月経困難症の治療効果だけでなく、様々な効果・副効用が期待できる。

以下、OC/LEPガイドラインから抜粋して解説する。

(1)月経血量を減少させる 

 低用量ピルは子宮内膜の増殖を抑制して経血量を減らす。

(2)子宮内膜症の治療、再発予防効果 

 低用量ピルは卵巣チョコレート嚢胞を縮小させる効果がある。また、手術をした場合は、術後の継続的投与により再発が減少する。

(3)卵巣癌リスクを低下させる 

 卵巣癌の病因は諸説あるが、排卵などの関与が考えられている。低用量ピル使用中は排卵が抑制されるため、排卵による卵巣上皮の損傷が無くなり、卵巣癌発症リスクを下げると推察される。1年の使用で約5%のリスク低下、10年以上の使用で50%以上の卵巣癌リスク軽減効果があると考えられる。また、HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)の遺伝子変異保有者においても、低用量ピルは卵巣癌抑制効果を示している。

(4)子宮体癌(子宮内膜癌)リスクを低下させる

 子宮内膜はエストロゲンで増殖するが、低用量ピルに含有されるプロゲスチンはその効果に拮抗するため、子宮体癌(子宮内膜癌)リスクは低下すると考えられる。4年間の使用で56%、8年間の使用で67%、12年間の使用で72%有意に低下したという報告がある。

(5)大腸癌リスクを低下させる

 従来より、エストロゲン投与が大腸癌(結腸癌・直腸癌)リスクを低下させることが知られている。その正確な機序については不明であるが、低用量ピルによっても大腸癌リスクが減少することが報告されている。

(6)その他

 尋常性挫創(にきび)や多毛の改善、PMS(月経前症候群)の改善などが期待できる。

 カテゴリー:低用量ピル、月経  2020年03月20日

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