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院長ブログ

妊孕性温存治療費の助成(神奈川県)

女性にあって、男性にないもの。

それが子宮と卵巣です。(まあ正確には卵管や腟などもそうですが。)

子宮は赤ちゃんを育てる臓器です。

卵巣には二つの働きがあります。

一つは女性ホルモン(主にエストロゲン)を作ることで、もう一つは赤ちゃんの元になる卵子の貯蔵庫だということです。

子宮がなければ妊娠できません。

卵巣がなくても妊娠はできません。女性ホルモンは薬で補充できますが、卵子が無くなってしまったらそれまでです。

小児や思春期・若年女性が、がんになってしまった場合、抗がん剤や放射線治療などで卵巣の機能が低下して、将来の妊娠に影響を及ぼすことがあります。

そのため、妊孕性温存の研究がされてきました。

男性の精子の凍結保存はそれほど難しいことではないのですが、卵巣や卵子が安定して凍結保存できるようになったのは最近の医学の進歩によるものです。

卵巣や精巣などのがんでは、正常な精子や卵子・卵巣組織を採取して残しておくことができます。

それでは子宮はどうなのでしょうか?

若年女性に多い子宮頸がんは、早期であれば病巣だけを切除して子宮を残すことができますが、進行がんでは子宮を摘出しなくてはなりません。

そうなれば妊娠することはできなくなります。

心配しないでください。

子宮頸がんはワクチン(HPVワクチン)と検診で予防できます。

最近、20代で子宮頸がん検診を受ける方が増えています。

HPVワクチンをした方もいて、「大人になったらがん検診」というのを覚えていてくれたのかと思うと嬉しくなります。

話を元にもどしますが、妊孕性温存のための治療は、保険診療ではなくて自費になります。

費用は施設によって異なります。

精子の採取・凍結は約5万円。

卵子は約40万円。

卵巣は約60万円程度かかります。

そのため神奈川県ではその治療の一部を助成する制度を開始しました。

詳細は県ホームページをご覧ください。こちらから>

 カテゴリー:がん(予防、検診、治療) , 妊娠、出産、産後  2020年09月14日

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