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院長ブログ

子宮内膜症の診断ってどうやるの?(成人の場合)

子宮内膜症は、子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で子宮以外の場所で発生し発育する疾患です。

主な症状は月経痛ですが、

月経が終わったのに痛みがすっきりしない。

お尻の奥の方が痛い感じがする。

性交のときに奥が痛いなど、痛みの状態は様々です。

子宮内膜症が進行すると子宮の周りに癒着が起きたり、卵巣に嚢胞ができることがあります。

卵巣にできた嚢胞は古い血液がたまったもので、チョコレートを溶かしたように見えるので、チョコレート嚢胞と呼びます。

子宮内膜症の主な症状は月経痛ですが、月経以外での痛み(鈍痛)が起こることがあります。

子宮内膜症の診断は、チョコレート嚢胞などがあれば、超音波検査(エコー)やMRIで診断することができます。

しかし、チョコレート嚢胞がなければ子宮内膜症の診断は容易ではありません。

確定診断は腹腔鏡などでするといいますが、全例に手術をするわけにはいきません。

軽い癒着では画像に異常はみられなくても、内診すると子宮の周りに痛みがあれば、子宮内膜症を疑います。

これを「臨床子宮内膜症」といいます。

確定診断に至らなくても、「臨床子宮内膜症」という診断で治療が開始できます。

ホルモン治療は低用量ピルや黄体ホルモンでやりますが、場合によっては閉経させるホルモン剤(6ヵ月までしか使用できません)を使うこともあります。

いずれも排卵を止めてしまうので、妊娠希望の方にはできません。

早く妊娠することが内膜症の治療になります。

妊娠の希望がなければ、ホルモン治療をしてみましょう。

子宮内膜症は閉経すると治る病気なので、閉経が近い方は痛みを我慢して経過をみるというのも一つの方法かもしれません。

でも閉経まで何年もあるという方は、ホルモン治療をされた方がいいと思います。

痛みも軽減するし、進行も予防できます。

 カテゴリー:子宮内膜症/子宮腺筋症、子宮筋腫  2021年02月08日

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